性病にかかってしまったら

性病における遺伝子検出と軟性下疳

性行為によって相手から感染する病気のことを性病または性行為感染症といい、現在ではよりソフトなイメージのある略称であるSTDということばで呼ばれることも多くなっています。かつては性病予防法という法律によって、特に性病のなかでも梅毒、淋病などの風俗関連営業にからんだ病気がクローズアップされていましたが、現在では他の感染症とともに感染症予防法という法律によって予防が図られるようになっています。
性器の症状により性病にかかったと考えられる場合には、泌尿器科や婦人科などを訪れて、専門医による診断を受けることが大切です。その際には、原因となっている病原性微生物を特定するために、血液検査を通じたウイルス分離や、検査キットを使った遺伝子検出などが行われます。これには、遺伝子DNAを構成する塩基が特定の塩基とのみ結合することを利用したDNAプローブによる遺伝子検出、DNAの断片からの大量増殖というポリメラーゼ連鎖反応を利用した遺伝子検出など、いくつかの方法があります。
通常はこのようにして性病の種類を特定して対処方法を検討することになりますが、なかには特徴が比較的はっきりしているため、医師による視診や触診だけでも特定可能なものもあります。たとえば、軟性下疳とよばれる性病の一種は、性器に小さなコブができ、これがつぶれて潰瘍となり、強い痛みをともなうものです。軟性下疳は淋病、梅毒と並ぶ病気で第三性病などと呼ばれることもありますが、現在は国内で感染することはほとんどなく、東南アジアなどの海外で感染する場合が多いとみられています。この軟性下疳であることが明らかな場合には、抗生物質などを投与することによって、菌の増殖を抑えて症状の改善を図ります。